保険適用は銀歯になるの?保険で白い歯を入れる方法を解説!
歯の治療をするときに気になることの一つが口元の「見た目」ではないでしょうか。
ホワイトニングや審美歯科などが流行っているように、口元の美しさを気にする方が増えています。
虫歯治療では、虫歯を削った後に被せ物や詰め物を入れる治療があります。いわゆる「銀歯」と言われるものです。銀歯は目立ってしまいますが、保険適用で治療をすると必ず銀歯になってしまうわけではありません。
保険治療の改正などにより、保険適用でも白い歯を入れられることが増えています。今回は、保険で白い歯を入れる方法について詳しく解説していきます。
保険適用で白い歯を入れる方法
保険適用で白い歯を入れる方法は次の3つがあります。
- CAD/CAM冠(CAD/CAMインレー)
- 硬質レジン前装冠
- コンポジットレジン
それぞれ適応できる条件や範囲が決まっており、条件を満たしていれば保険適用が可能です。それぞれの特徴と適応は次のようになります。
CAD/CAM冠(CAD/CAMインレー)
CAD/CAMとは近年主流になってきている被せ物や詰め物を作る方法で、歯型のスキャンデータをコンピューターに入力し、ハイブリッドレジンのブロックから歯の形の被せ物(詰め物)を機械で削り出す方法です。
歯科技工士ではなく、全て機械で作製するので、費用と時間が抑えられます。
CAD/CAM冠とはCAD/CAMで作られた被せ物で、詰め物のことはCAD/CAMインレーと言います。
メリットとデメリット
CAD/CAM冠のメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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適用範囲・条件
前から数えて5番目の歯までは、全て保険適用になります。6番目の歯は、7番目の歯が上下左右4本残っていれば保険適用になります。
7番目の歯や親知らずは保険適用になりません。
金属アレルギーがある方は、全ての歯で保険が適用になりますが、金属アレルギーを証明する医師の診断書が必要になります。
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー、どちらも同様です。
硬質レジン前装冠
金属のフレームに硬質レジンというプラスチック樹脂を貼り付けて作られた被せ物です。金属は奥歯に使われるものと同じでパラジウム合金になります。前歯のみ保険が適用となります。
メリットとデメリット
硬質レジン冠のメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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適用範囲・条件
前から数えて3番目の歯までが保険の適用範囲です。いわゆる「前歯」と言われる部位上下6本です。4番目以降の奥歯に使用する場合は、保険が適用できません。
コンポジットレジン
白いプラスチック樹脂で詰め物をする方法です。元々はペースト状の樹脂ですが、詰めた後に特殊な光を照射することで固まります。さまざまな形態に対応し、形に合わせて修復をすることができます。型取りをする必要がなく、その日のうちに詰められます。
メリットとデメリット
コンポジットレジンのメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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適用範囲・条件
保険治療の適用範囲に制限はありません。どの歯にも使用することができます。ただし、プラスチック素材で強度が歯ため、強い力の加わる場所には利用することができません。すぐに脱離を起こしてしまいます。
強度の問題から、奥歯や深い虫歯、歯の大部分を失っている歯、歯の端などには、利用が適していません。被せ物をする程の修復が必要な場合には、コンポジットレジンは向いていないことが多いでしょう。
保険治療で白い歯が適用できないケース
これまでにあげた「CAD/CAM冠(CAD/CAMインレー)」「硬質レジン前装冠」「コンポジットレジン」の適用範囲に当てはまらない歯は、保険治療では白くすることができません。
具体的には次のようなケースが考えられます。
- 一番の奥の被せ物
- 前から7番目の奥歯がない場合の6番目の歯の被せ物
- 強い力がかかる歯
- 歯ぎしりや食いしばりの負担がかかっている歯
※いずれも金属アレルギーの証明が無いもの
現在では、前から5番目の歯までは、条件なく白い歯を選択することができます。ただし、強度があまり無いので、噛み合わせが強い場合などは、従来の金属の詰め物や被せ物を選択した方が良い場合があります。
強度のある白い歯を入れる場合には、自費治療になります。
自由診療で入れられる白い歯の特徴
自由診療では制限が全く無いため、どの歯であっても白い歯を入れることができます。
また材料を選択することができ、保険適用では難しかった透明感のある自然の歯に近い色の歯を入れることができます。代表的な材質には次のものが挙げられます。
セラミック
いわゆる「陶器」と同じ材質です。透明感があるため、天然の歯に近い色調を再現することができます。劣化による変色もほとんどありません。
ジルコニア
二酸化ジルコニウムのことで、人工ダイヤモンドとも言われています。金属のように強度に強いので、噛み合わせの強い奥歯にも適用することができます。セラミックよりも透明度や色調が劣りますが、表面にセラミックを盛り付ける加工をすることができ、セラミックのような審美性の高い被せ物にすることもできます。
ハイブリッド
合成樹脂が含まれたセラミックです。セラミックよりは色調は劣りますが、CAD/CAMよりも色調の種類が多いのが特徴です。セラミックやジルコニアより安価です。
まとめ
近年の歯科保険治療の改正で、保険適用でも白い歯を入れられることが増えてきました。銀歯に抵抗にある方は、自分の歯が適応範囲に当てはまるのかを確認すると良いでしょう。
現在入っている銀歯も部位によっては白い歯に作り替えることができますので、見た目が気になる場合には相談すると良いでしょう。
また、自費治療は保険診療に比べて高額になりますが、審美性や耐久性でメリットも多くなります。長く使用することを考えて自費治療を選択するのも一つの方法です。