前歯の差し歯はどんな治療?治療方法や費用、知っておきたい注意点を解説!

歯医者で行われる治療の中に「差し歯」の治療があります。
差し歯は、虫歯などで歯の大部分を失った場合に、歯を作り、元の歯の状態に近づける治療です。
今回は前歯の差し歯はどんな治療なのか、治療方法や費用、知っておきたい注意点を解説します。
前歯の差し歯はどんな治療?
一般の方が、「差し歯」と呼ぶものは、コアと呼ぶ土台の上に被せ物をしたものです。
自分の歯の根が残っており、使えることが条件です。
土台を作るときに、歯の根に芯となる棒を差し込む形で作られるため、差し歯と呼ばれるようになりました。歯の根が無い部分には、差し歯を入れることはできません。
前歯の場合は、自分の歯の根の部分に土台を築造してから、歯と同じような色の被せ物を入れます。被せ物にはいくつかの種類があり、保険適用のものと自費治療のものがあります。
前歯の差し歯の治療の手順
前歯を差し歯にする場合の、基本的な治療の手順を解説します。
土台の築造と形成
被せ物の土台をつくります。
自分の歯質がある所は利用しますが、足りない部分には人工的な材料を足して築造します。
芯には、金属製のものやファイバー製のものがあります。
近年ではファイバー製のものを使用することが多いです。
土台ができたら、型取りをするために形を整えます。
型取り
被せ物をするための型取りを行います。被せ物の種類を最終決定します。被せ物の種類によって、土台の形が多少異なることがあるので、土台を作る前には歯科医師に伝えておくのが良いでしょう。
仮歯の装着
前歯が入っていないと、見た目に影響があるため、仮歯を装着することが多いです。
前歯の差し歯の治療前から、仮歯を先に作製していることもあります。その場合は、仮歯の形を調整して合わせてから装着します。
被せ物の装着
被せ物が出来上がったら、被せ物を装着します。
土台の築造から、被せ物を装着するまでに、2回〜4回程度の通院が必要です。
前歯の差し歯の種類と費用
前歯の差し歯に使われる被せ物には、いくつかの種類があります。
保険適用のものと自費のものがあり、それぞれ特徴が異なります。
前歯は、見た目の影響も大きいので、審美性も考慮して選択するのが良いでしょう。
保険適用の前歯の差し歯
保険適用の前歯の差し歯には、次の種類があります。
硬質レジン前装冠
銀歯の被せ物の表面に硬質レジンという歯科用のプラスチックを貼り付けたものです。強度はありますが、長期間使用していると変色が起こります。
歯と似たような色で作製することができますが、色調は数種類の中から選ぶ形になります。プラスチック製なので、透明感はありません。
保険が適用できるので、比較的安価です。保険適用の3割負担で5,000円〜8,000円程度です。
CAD/CAM冠
ハイブリッドセラミックというセラミックとプラスチック材を混ぜたブロックから、CAD/CAMシステムで設計・作製する被せ物のことです。
プラスチックが多く含まれているので、
長期間の使用により変色が起こります。強度があまりないので、強い力が加わると割れてしまうリスクがあります。金属を使用していないので、金属アレルギーのリスクもありません。
保険適用の3割負担で6,000円〜8,000円程度です。
自費の前歯の差し歯
自費の前歯の差し歯では、審美性や耐久性が高いものを選択することができます。
セラミック
セラミックはいわゆる陶器と同じような素材で、透明感があり、天然の歯と違いないほどの見た目を再現することができます。審美性が非常に高いのが特徴です。
耐久性もあり、経年劣化がほとんど起こりません。丁寧にケアをすれば、長期間使用し続けることができます。
陶器をイメージするとわかりやすいですが、急激な力が加わったり、持続的に強い力が加わったりすると割れてしまうリスクがあります。
自費で1本あたり8万円〜15万円程度です。
ジルコニア
セラミックの一種で、天然ダイヤモンドとも言われるほどの強度があります。
従来からのセラミックで割れてしまうリスクが心配な場合にはジルコニアがおすすめです。保険適用のものより審美性が高いものの、セラミックよりも審美性が多少劣るのが難点でしたが、近年は技術が発達し、審美性が上がりました。
表面をセラミックでグラデーションのように加工することで、天然の歯に近い見た目を再現することができます。
自費で1本あたり8万円〜15万円程度です。
前歯の差し歯の治療をする前に知っておきたい注意点
治療をする前に、知っておきたい注意点を解説します。
保険適用の差し歯では、周囲の歯と色味を合わせにくいことがある
保険適用の差し歯の場合は、色の選択肢があまりありません。
数パターンの中から選ぶので、周囲の歯と色味を合わせにくいことがあります。
1本だけを治療する場合には、色の違いが目立ってしまうことがあります。気になる場合には、自費の差し歯をおすすめします。
長く使い続けるためには定期検診が重要
保険適用・自費いずれの場合でも、定期検診が必要です。
定期的に噛み合わせの状態や、トラブルが起きていないかを確認し、クリーニングを行うことで、長期間にわたって使用することができます。
早めに異常に気づいて対処することが大切です。
保険適用のものは、劣化が起こるので、後に作り替えが必要になる可能性があることも知っておきましょう。
まとめ
前歯の差し歯は、自分の歯の根が残っている場合に行われる治療で、土台を立てて被せ物をする治療です。
保険適用のものと自費のものがあり、自費のものでは審美性や耐久性が高いものを選択することができます。
自費の方が費用が高くなるので、希望や予算などを考慮して選択するのが良いでしょう。