インプラントは絶対ダメ？インプラントを勧めない理由とは
インプラントは、歯を失ってしまった場合でも、自分の歯のように使用することができる治療法です。
インプラントの利点ばかりがクローズアップされがちですが、インプラント治療をしない方が良い場合もあります。
今回は、インプラントをおすすめしないケースや、インプラント治療を絶対してはいけないケースを詳しく紹介していきます。
インプラント治療をおすすめしないケース
インプラント治療をおすすめしないケースは、次の理由が関係していることが多いです。
- 外科手術が必要
- 高額な費用がかかり治療期間が長い
- 治療後のメンテナンスが必要
それぞれの理由について、おすすめしないケースを詳しくみていきましょう。
外科手術が必要
インプラント治療は、高度な外科手術になります。
局所麻酔といって、施術するところだけに行う麻酔で行いますが、身体に負担がかかることには変わりません。
持病を持っている方など、健康状態によってはリスクを伴うことを忘れてはいけません。
外科手術に不安を感じている場合には、無理にインプラント治療を行う必要はないでしょう。
また次にあげるような骨に問題があるケースの場合には、さらに手術が必要になるため、よく考えてから治療を決断するようにしましょう。
顎の骨の状態により別の治療が必要になる
インプラント治療の前には、C Tで顎の骨の状態を確認する検査があります。
インプラントを埋入するだけの骨の量や厚みが必要になるためです。
検査の結果、顎の骨が薄かったり少なかったりした場合には、骨を補強する手術が必要になります。
サイナスリフトなどの骨再生療法を実施します。
別途費用が必要になり、さらに治療期間も長くなります。
高額な費用がかかり治療期間が長い
インプラント治療は自費治療になるため、1本あたり30万円〜40万円程度の費用がかかります。
そこに先に説明した骨再生療法を必要とする場合には、15万円〜30万円がプラスされます。
埋入した後もメンテナンスをする必要があるため、維持費用もかかります。
歯は身体の一部ではありますが、金銭的に余裕がない場合に、無理して行う治療ではありません。
支払いを無理していないか、今一度検討するようにしましょう。
また、インプラントは人工歯根を埋めてから顎骨に定着するまでの時間を必要とします。
治療期間はカウンセリングから合わせると半年〜1年程度はかかるでしょう。
途中で転勤などの引っ越し、出産などのイベントを控えている場合には、無理に行うのはおすすめできません。
生活が落ち着いている時期に治療を検討するのがよいでしょう。
治療後のメンテナンスが必要
インプラントは、入れたらそれで終わりではありません。人工歯根ですが、自分の歯と同様にケアをしていく必要があります。
特にインプラントは、天然の歯と比較して抵抗力がありません。
歯周病菌に感染してしまうと、インプラント周囲炎になる可能性があります。
インプラント周囲炎は進行すると、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
そのため、インプラント治療後は、きちんと定期的に通院してメンテナンスを受けることが大切です。
メンテナンスに通院することも想定して、インプラント治療を選択するようにしましょう。
例えば、高齢の方の場合、ご自身が介護されるような状態になった時にインプラントが入っていると清掃してもらうのが非常に難しくなることもあります。
自分のライフステージが今どの状態にあるのかを踏まえて、治療を検討することも大切です。
インプラント治療をしてはいけないケース
インプラントを検討する以前に、全身の状態によってインプラント治療をしてはいけない場合があります。
絶対に行ってはいけないケースと、場合によっては治療が可能なケースがあります。
インプラント治療を絶対に行ってはいけないケース
次のようなケースは、身体的に危険を伴う可能性があるため、絶対にインプラントを行ってはいけません。
インプラント治療ではなく、義歯やブリッジで治療を行うようにしましょう。
- チタンアレルギー
- 白血病などの血液疾患
- 免疫不全
- 放射線治療が必要な疾患
インプラント治療を避けた方がよいが場合によっては可能なケース
次にあげるケースは、基本的にはインプラント治療を避けた方がよいですが、かかりつけ医の判断によっては、治療が行うことも可能となります。
全身状態がしっかりコントロールされ、数値的にも問題がない場合となります。
ただし、いずれも無理に治療をすることは薦めません。
- Ⅱ型糖尿病
- 高血圧症
- 骨粗鬆症 ※ただしビスフォスフォネート製剤服用の方を除く
- 心疾患
- 腎疾患
まとめ
インプラント治療は、歯を失った場合でも、自分の歯のように使うことができる画期的な治療法です。
近年では希望する方も増え、メリットばかりがクローズアップされることが多いですが、治療をするかどうかよく考える必要があります。
今回あげていったようなインプラントをおすすめしない理由を踏まえて、よく検討してから治療を行うようにしましょう。
