インプラント矯正って何?期間やメリット・デメリットを紹介
矯正治療というと、マウスピース矯正、ワイヤー矯正が広く知られていますが、最近はインプラント矯正も新しい矯正方法として注目も集めています。
今回はインプラントを使った矯正方法、インプラント矯正について、詳しく解説していきます。
インプラント矯正とは
インプラントというと、歯を失った場合に埋め込む人工歯根のイメージがある方が多いかもしれませんが、インプラントは矯正治療にも応用されています。
インプラント矯正では、インプラントアンカーという矯正治療専用のインプラントを、歯ぐきから顎の骨に埋め込み、インプラントを固定源として歯を動かしていきます。
インプラントアンカーは、顎の骨にしっかりと固定されているため、力をかけても動きませんが、歯は力をかけることにより徐々に動いていきます。
インプラントというと大掛かりな手術をイメージする方が多いかもしれませんが、インプラントアンカーは人工歯根のインプラントと比較してかなり細い作りをしており、歯ぐきを切り開く必要もありません。
埋め込む時間は10分程度で、トータルの手術時間も30分程度です。
比較的簡単な手術になりますので、出血や痛みも少なく、安心して施術を受けていただくことができます。
矯正治療が終わったら、インプラントアンカーは取り除きます。
インプラント矯正のメリット
インプラント矯正は、マウスピース矯正やワイヤー矯正には無いメリットがあります。
メリットを具体的に紹介していきます。
抜歯をしなくても矯正できる
矯正治療では、歯を並べるスペースが足りない場合、抜歯をすることがありますが、
インプラント矯正では従来抜歯が必要なケースでも抜歯をしなくて済む場合があります。
通常、矯正治療で歯を並べる場合、歯列の一番奥にある大臼歯を支えにして歯を並べるため、大臼歯自体をさらに後方に移動するのは困難です。
しかしインプラント矯正では、インプラントアンカーを支えにするため、大臼歯を後方に動かすことが可能になります。
そのため、健康な歯を抜歯しなくて済む可能性が高くなります。
短期間で矯正治療が終わる
インプラント矯正の治療期間の目安は3〜8ヶ月ほどで、他の矯正方法よりも短期間で治療をすることができます。
インプラント矯正では、インプラントアンカーを支えにするため、通常よりも強い力で効率的に歯を動かすことができるのです。
重度の症例も対応できる
インプラント矯正は、強い力で矯正するので、マウスピース矯正やワイヤー矯正だけでは対応できない
重度の症例でも対応できます。
骨を切るなどの大掛かりな外科手術をせずに済ませることが可能な場合もあります。
ピンポイントで矯正することができる
これまでの矯正方法では、1本の歯だけ移動させたい場合でも、全ての歯に装置を装着する必要がありましたが、インプラント矯正は必要な部分しか装置を使いません。
ピンポイントで矯正することができ、装置の不快感も最小限に抑えることができます。
ただし症例によっては、ワイヤー矯正と併用もしますので、必ずしも小さな装置とは限りません。
歯磨きがしやすい
ワイヤー矯正では、複雑な構造の装置を装着するため、歯磨きがしにくいというデメリットがありますが、インプラント矯正はシンプルな装置なので、比較的歯磨きがしやすくなります。
インプラント矯正のデメリット
インプラント矯正はメリットもある反面、デメリットもあります。
外科手術が必要
インプラント矯正は、人工歯根のインプラントを埋め込むような大掛かりな手術ではありませんが、外科手術が必要です。
比較的簡単な外科手術になりますが、不安がある場合には、手術の流れや痛みなどについてよく相談するようにしましょう。
費用が高額
インプラント矯正の費用は、インプラント1本あたり5万円〜10万円程度が相場になります。
少ない本数の矯正であれば費用負担は大きくありませんが、
全体の矯正が必要な場合は、インプラントの本数も多くなり費用が高額になります。
他の矯正方法と併用する場合には、対応の矯正方法の費用に加えて、インプラント分の費用が加算されます。
対応できる歯科医院が少ない
近年普及しつつあるインプラント矯正ですが、マウスピース矯正やワイヤー矯正と比較して対応できる歯科医院がまだ少ないのが現状です。
まとめ
インプラント矯正は、矯正治療専用に開発されたインプラントアンカーを埋め込み、インプラントを支えにして、歯を動かす治療法です。
近年普及しつつある矯正方法で注目が高まっています。
強い力をピンポイントにかけることができるので、これまでの矯正方法では対応できなかった症例でも、可能になる場合があります。
また、治療期間を短縮することができたり、抜歯をしなくても済むなどのメリットがあります。
インプラント矯正は、症例によっては非常に有効な治療法だと言えます。
矯正治療を検討している場合には、インプラント治療という選択肢があることも知った上で、治療法を検討してみてください。