訪問歯科診療で入れ歯は作れる?入れ歯作製の流れと費用を解説!

訪問歯科診療は、歯科医院への通院が難しい方が、自宅や施設に居ながら、歯科医院で行うような治療やケアが受けられるシステムです。
寝たきりの方や要介護者など、通院が難しい方の中には、入れ歯が必要な方も多いのではないでしょうか。
今回は訪問歯科診療で入れ歯は作れるのか、入れ歯作成の流れと費用について詳しく解説していきます。
訪問歯科診療で入れ歯は作れるのか
訪問歯科診療で、入れ歯は作れます。
訪問歯科診療では、専用のポータブルの機械や歯科医院で使用している器具・器材を持ち込むことができるので、歯科医院で作るのと変わらない精度の入れ歯にすることができます。
そして、入れ歯作製にかかる費用は、歯科医院で作製する場合とほとんど変わりません。
寝たきりの方や、要介護の方にとって、しっかり噛めることはとても重要です。
歯科医院に通院できないからといって諦めずに、入れ歯でしっかり噛めるようにしましょう。
訪問歯科診療における入れ歯作製の流れ
入れ歯作製の流れは、基本的には訪問歯科診療でも歯科医院での治療でも変わりません。
作製に必要な器具を持参し、対象の方のお口に合わせた入れ歯を作製することができます。
ただし、入れ歯の作製には何段階かの工程があるため、1回の訪問で作れるわけではありません。
入れ歯作製の手順は次のとおりです。
初診・診査
口の中の状態や歯茎の状態を確認します。
入れ歯の必要性の診断をし、どのような入れ歯を作製するか決めていきます。
入れ歯作製前に抜かなくてはいけない歯、治療をしなくてはいけない歯がある場合は、先に治療を進めていきます。
型取り
入れ歯作製に必要な型取りを行います。
歯科医院で型取りに使用する器具・器材を持参して行います。
歯にバネを引っ掛けて固定する場合には、歯に溝を作らなければいけないことがあります。
ポータブルの切削器具を使って、形を整えます。
型取りは1回~2回必要で、1度目は大まかな型取り、2度目は精密な型取りになります。
お口の状態により1度の型取りで済むこともあります。
噛み合わせの記録
上下の歯の噛み合わせ位置を記録します。
顔の形や筋肉のバランスに合わせて調整していきます。
入れ歯の範囲が狭い場合には、この工程は必要ないことがあります。
試適
入れ歯完成前の仮合わせの工程です。歯を並べたロウ義歯を使って、見た目や噛み合わせ・発音や口の動きの確認をします。
必要に応じて歯の位置や高さを調整します。
いきなり完成にすると、痛みやズレが起きるリスクが高く、見た目の不満などにより作り直しの可能性が出やすくなります。
特に高齢者や要介護者の場合には、噛みやすさは栄養状態や生活に質に直結するので、しっかり調整する必要があります。
完成・装着
最終的な入れ歯を完成させて装着します。
実際に口の中に入れながら、細かな微調整を行いまs。
訪問歯科診療で入れ歯を作る場合の費用
訪問歯科診療で入れ歯を作る場合、治療にかかる費用は、歯科医院で作る場合と同じです。
訪問の場合は、その費用の加えて「歯科訪問診療費」の点数が加算されます。
また介護保険が適用となる「居宅療養管理指導費」が別途かかります。
歯科訪問診療費は、健康保険の自己負担割合によって異なりますが、1割の方では120円~503円程度、3割負担の方では360円~2,600円程度です。
居宅療養管理指導費は、300円~500円程度です。
入れ歯作製は、保険適用となります。入れ歯の作りによって費用が異なります。
費用の目安は次のとおりです。
総入れ歯(上下) | 7,000円~9,000円程度 |
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総入れ歯(片方のみ) | 4,000円~5,000円程度 |
部分入れ歯(上下) | 3,500円~8,500円程度 |
部分入れ歯(片方のみ) | 2.000円~4,500円程度 |
部分入れ歯は歯の本数によって大きく差があります。
作製前に歯科医師に費用の目安を確認しておくと安心です。
入れ歯作製後のフォローについて
入れ歯完成後は定期的なメンテナンスが必要です。
ピッタリと合う入れ歯を作っても、使い始めは靴擦れのように、痛いところが出てくるもののです。
装着直後は、早めに調整を行います。
その後は、訪問歯科で定期的に伺い、入れ歯の状態をチェックし、適宜調整や修理を行います。
入れ歯は使い続けていくうちに、合わないところが出てくるものです。
アフターフォローも訪問歯科で受けることができるので、安心して入れ歯を使うことができます。
まとめ
訪問歯科診療では、入れ歯を作製することができます。
歯科医院で作製するのと基本的に同じ工程で作ることができ、自分に合う入れ歯が出来上がります。
入れ歯作製にかかる費用は、歯科医院で作製時にかかる費用と変わりません。
ただし訪問歯科診療の場合は、作製にかかる治療費とは別に歯科訪問診療費と居宅療養管理指導費がかかります。
通常の作製時と比べて、トータルして500円~最大で3,000円程度、費用が高くなります。
入れ歯作製後のアフターフォローも訪問歯科診療で受けることができます。
入れ歯のチェックや修理も可能なので、安心して入れ歯を使うことができます。