虫歯の原因って何?原因を知って虫歯予防をはじめましょう!
どうして虫歯ができてしまうかわかりますか?小さな頃から「歯みがきをしないと虫歯になってしまうよ」だとか、「お菓子ばかり食べていると虫歯になるよ」と言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。確かに「歯をみがかない」「お菓子ばかり食べる」というのは虫歯の原因になります。今回は、もう少し虫歯の原因について詳しく解説し、虫歯の原因に基づいた「虫歯予防の仕方」を紹介していきたいと思います。
虫歯の原因とは
虫歯の原因は、大きく分けて3つあります。「虫歯菌」「甘いもの」「歯の質」です。これら3つの原因が重なると虫歯が発生してしまいます。
つまり、虫歯菌がたくさんいても、甘いものを全く摂取していなかったら虫歯にはなりません。しかし、毎日の食事の中に必ず「糖」は含まれるので、甘いものを全く摂取しないというのは無理です。また、いくら丁寧に歯みがきをしても、虫歯菌を全て取り除くのも難しいでしょう。ですから、虫歯の原因を100パーセント取り除くのではなく、できる範囲の予防対策をそれぞれに対して行っていくのが、虫歯予防のポイントになります。
虫歯菌と虫歯の関係
お口の中にはたくさんの細菌がいます。その中でも「ミュータンス菌」という細菌が虫歯の原因になります。ミュータンス菌は、飲食物の中に含まれる「砂糖(ショ糖)」などを栄養にして、ねばねばとして「プラーク」といわれる虫歯菌の巣を作ります。そして、プラークから歯を溶かす「酸」がつくられ、歯を溶かします。
虫歯菌から歯を守るためには、毎日の丁寧な歯みがきが大切です。
歯に付着したプラークを歯ブラシでしっかり擦り落としましょう。しかし、丁寧に歯みがきをしても、落とすことができるプラークは全体の6割程度だといわれています。歯間ブラシや糸ようじなどの清掃補助用具を使うことで8割程度まで汚れが落とせるようになるので、使用するようにしましょう。
残りの2割は自分では落としきれないプラークです。歯科医院で専用の機械を使って汚れを落とすことができます。定期的にクリーニングを受けるのがおすすめです。
甘いものと虫歯の関係
虫歯菌の栄養になるのが「甘いもの」です。特に「砂糖(ショ糖)」は虫歯菌の栄養になります。その他「果糖」「乳糖」も、砂糖よりは多少リスクは減りますが、同様に虫歯菌の栄養になります。ですから100パーセントの果汁ジュースや果物・牛乳も虫歯の原因になるので覚えておきましょう。
私たちは、朝昼晩の食事をしますし、その中に糖も含まれていますので、「甘いものを摂取しない」ことはありません。虫歯予防で注意したいのは、「甘いものを摂取しない」ことよりも「甘いものの摂取の仕方」です。
ダラダラ・ずるずると時間を開けずに飲んだり食べたりするのが一番危険です。お口の中は、普段はほぼ中性に保たれています。ところが、甘いものを摂取した後は、酸性に傾きます。その後、通常であれば唾液の作用によって徐々にまた中性に戻っていくのですが、ダラダラ・ずるずると飲んだり食べたりを繰り返していると、お口の中が酸性になっている時間が長くなり、歯が溶けやすくなるのです。
間食は時間を決めて食べるようにし、ジュースや飴などを常に摂取するようなことは控えましょう。間食と食事、食事と間食までの時間は、最低でも2時間あけるのが望ましいです。口さみしい時などは、虫歯の原因にならないキシリトールガムがおすすめです、キシリトールは糖の一種ですが、虫歯菌の栄養になりません。それどころか虫歯菌を弱らせることができるので、間食に取り入れると良いでしょう。
歯の質と虫歯の関係
肌の質が人それぞれ違うように、「歯の質」も違います。虫歯菌が出す酸に溶けやすい歯・溶けにくい歯があります。乳歯と永久歯でも違います。乳歯の方が永久歯に比べて柔らかく溶けやすい質でできています。また永久歯でも生えたばかりの歯はまだ表面が未熟で溶けやすくなっています。
歯の質を強くするには「フッ素」を利用する方法があります。
歯みがき粉などで「フッ素配合」という文字を見たことがある人も多いのではないでしょうか。フッ素を利用することで、歯の表面の構造が、酸に溶けにくい構造に変化します。また、フッ素には「抗菌作用」や、歯から溶け出したカルシウムなどを再度取り込ませる「再石灰化作用」もあります。
フッ素配合の歯みがき粉やジェルを利用したり、歯科医院でフッ素塗布を受けるのがおすすめです。
虫歯予防とかかりつけ歯科医
このように虫歯予防には、虫歯の原因である「虫歯菌」「甘いもの」「歯の質」それぞれに対して、アプローチをすることが大切です。かかりつけ歯科医をもち、定期的に受診することで、よりしっかりと虫歯予防アプローチをすることができます。普段の歯みがきでは除去できない汚れを除去したり、歯の質を強くする「フッ素」を塗布するなどして、一緒に虫歯予防をしていきましょう。