子どもも顎関節症になる?原因と対処法を解説!

顎関節症という病気を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
顎関節症は、成人の病気のイメージがあるかもしれませんが、実は子どもも顎関節症になることがあります。
今回は、子どもの顎関節症について、原因と対処法を詳しく解説します。
顎関節症とは
最初に顎関節症について解説します。
顎関節症は、顎関節やその周りの筋肉に異常が生じて、顎の痛みや運動障害などの症状が現れる病気です。
顎関節症は決して珍しい病気ではなく、成人の約5%〜15%が何らかの症状を経験していると言われています。
特に若い女性に多く見られます。
子どもも頻度は少ないですが、顎関節症になることがあります。
特別な訴えがないために大人が気づかないこともあるでしょう。
子どもの顎関節症の症状
子どもが顎関節症になった場合には、次のような症状が見られます。
子どもから訴えがある時には注意が必要です。
- 口を開けた時に音が鳴る
- 口が開けにくい
- 口を開け閉めする時に音が鳴る
- 顎の付け根あたりに痛みを感じる
- 上下の歯がうまく噛み合わない感じがする
- 顎が疲れた感じ、だるい感じがある
など子どもからの訴え方は様々です。
「カクカク音がする」「笑うと顎が痛い」「噛みにくい」「顎が疲れる」など色々な訴え方があるでしょう。
少し休んでも症状が変わらない場合には、顎関節にトラブルを起こしているかもしれません。
子どもが顎関節症になる原因
顎関節症になる原因は様々です。
習慣や口や体の状態、心理的要因などが組み合わさって発症します。
原因として考えられるものを解説します。
噛み合わせの問題
歯並びや噛み合わせが悪く、顎にかかる負担が偏っていると顎関節症になりやすくなります。
また、子どもは成長過程で上下の顎の大きさにズレが生じている場合も発症しやすいです。
習慣や癖
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、顎にかかる負担が大きくなり顎関節症になりやすくなります。
また、頬杖・片側だけで噛む癖・うつ伏せ寝や横向き寝なども、顎にかかる負担に偏りが生じるため発症しやすくなります。
顎の周りの筋肉の問題
顎を動かすための筋肉が、過度に緊張した状態になったり、炎症を起こしたりすると、顎関節に痛みが出やすくなります。
また、ストレスがある場合、姿勢が悪い場合に起こる、筋肉の慢性緊張も要因になります。
猫背や前屈みの姿勢は、顎に無理な力がかかりやすいので注意が必要です。
心理的要因
精神的なストレスがあると、無意識下の食いしばりや歯ぎしりを誘発し、顎関節症の原因になります。
また、不安や緊張があると、筋肉が過緊張の状態になり、顎関節に悪影響を与えることがあります。
外傷や顎の酷使
顎や顔をぶつけると、関節円板にダメージを受け、顎関節症を誘発することがあります。
また、ガムや硬いものを長時間噛む習慣も、顎に負荷がかかりすぎることになりますので、注意が必要です。
子どもの顎関節症の対処法
子どもの顎関節症は、成長や、習慣の見直しで改善するケースも多いです。
まずは、顎関節に負担がかかる習慣や癖を見直しましょう。
なかなか改善しない場合や、痛みが強い場合には、歯科受診も必要です。
具体的な対処法を解説していきます。
顎を休める
硬いお菓子や氷など、硬いものを食べる習慣を見直しましょう。
顎関節に痛みや違和感がある間は、食事は柔らかめのものを選ぶようにしましょう。
よく噛まなくても食べられるよう、保護者の方が調理方法の工夫をすると良いです。
悪い癖を見直す
勉強中など、頬杖をついている場合は見直すようにしましょう。
また、うつ伏せ寝、横向き寝を意識して直しましょう。
片側だけで噛む癖や、食いしばりの癖がある場合には、意識して止めるようにしていきましょう。
ストレス発散
十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
子どもは学校生活や家庭内でストレスを感じていることがあります。子どもがリラックスできる時間を作れるよう家族で協力していきましょう。
姿勢の改善
スマホやタブレットを前屈みで見る姿勢や、猫背の姿勢を改善するようにしましょう。
勉強机は高さが合ったものを使用するのが良いです。
歯科医院の受診
痛みが強い場合や長引いている場合、また食事に支障が出ている場合には、歯科医院への受診をすすめます。
歯ぎしりなどで、顎への負担が大きいと判断される場合には、就寝時にマウスピース(スプリント)を装着する治療を行うことがあります。
まとめ
子どもも顎関節症になることがあります。
顎関節症の原因は様々です。習慣や癖を見直すことで改善できる場合もありますので、思い当たることある場合には、改善するようにしましょう。
しかし、痛みが強い場合や症状が長引いている場合には、歯科医院を受診するのが良いでしょう。
子どもの顎関節症は、痛みが強くならないと、子どもからの訴えが無い場合があります。
周囲の大人が気にかけてあげることも大切です。
気になる様子がある場合には、早めに歯科医院に相談してみましょう。