要注意乳歯とは？学校検診で指摘されたらどうする？
学校などの検診で「要注意乳歯」というところにチェックをされることがあります。
「要注意」と言われると、良くない状態なのではないかと心配に思うかもしれません。
しかしそれほど心配することはありません。
「要注意乳歯」とは、生え変わりが近づいてグラつきなどがあり、注意が必要な乳歯のことを指します。
永久歯への生え変わりにおいて、そのような段階にあることもあります。
虫歯などではありませんので問題ありません。
今回は要注意乳歯について、また学校検診の結果について知っておきたい情報を詳しく解説していきます。
要注意乳歯とは
要注意乳歯とは、乳歯が次のような状態になっている時にチェックが入ります。
- 乳歯の揺れが大きく抜けそう
- 乳歯の横から永久歯が生えてきている
- 本来抜ける時期よりもかなり遅くまで残っている
- 抜けた乳歯の欠片が歯ぐきに残っている
- 乳歯が割れた状態になっている
など、要注意乳歯をそのままにしておくと、永久歯がスムーズに生えてこないことがあります。
永久歯が生え変わった時の歯並びに影響する可能性もあるため、必要であれば歯科医院の受診ができるよう検診でお知らせをしているのです。
また、乳歯がグラグラしたままなかなか抜けないと、歯みがきがしづらくなったり、噛みにくいといった状況になることがあります。
日常生活に支障が出たり、虫歯のリスクも高くなるので、注意が必要です。
要注意乳歯があった場合の対応
要注意乳歯を指摘された場合には、まずは歯科医院を受診するようにしましょう。
グラグラが大きい場合や、永久歯が横から生えてきてしまっている場合には、抜歯をするのが良い場合が多いでしょう。
歯科医院ではレントゲン撮影を行い、後続の永久歯があることを確認して、乳歯の抜歯を行います。
「抜歯」というと怖いイメージをもってしまうかもしれませんが、グラグラしている乳歯は、歯の根がかなり吸収されて短くなっているため、すぐに終わる処置になります。
子どもが嫌がっているのに無理矢理抜くのは、歯科医院に対しての恐怖心を抱いてしまうことがあるので、必ずお子さんの同意を得て抜歯をします。
・永久歯の先天性欠如の診断
乳歯が本来抜ける時期よりもかなり遅くまで残っている場合には、後続の永久歯が先天的に無い場合があります。
永久歯の先天性欠如は決して珍しいことではなく、たびたび起こります。
レントゲンの撮影をしなくては、先天性欠如に気がつかないでしょう。
先天性欠如だということがわかったら、乳歯をできるだけ健康に保つように、より注意をして過ごさなくてはなりません。
40歳50歳になっても使用できているケースも多いので、悲観的にならずに、今後の歯並びの経過などを見ながら、虫歯や歯周病の予防をしていくようにしましょう。
永久歯の交換時期に知っておきたいポイント
6歳以降の乳歯から永久歯の交換時期になると、「いつ乳歯が抜けるのだろう」「なかなか永久歯が生えてこないけど大丈夫か」など不安になることもあるでしょう。
乳歯から永久歯の交換時期に親が知っておきたいポイントについて解説します。
生え変わりの時期
永久歯への生え変わりの時期には個人差があります。
おおむね６歳〜12歳頃までに乳歯から永久歯に生え変わります。
下の真ん中の前歯が抜け、今生えている歯の奥に６歳臼歯が生えるのが、大体６歳頃の同時期になります。
12歳頃までに生え変わりが進み、14歳頃までに前から7番目の歯である第二大臼歯が生えてきます。
永久歯の生え方には、個人差があり、2年くらい違う場合もあるので、ゆったりと待っているのが良いでしょう。
なかなか生えてこない場合や、生え方に左右差がある場合は、一度歯科医院で相談してみると安心です。
歯科医院でレントゲン撮影をすると、まだ歯ぐきの中に埋まっている状態の永久歯もしっかりと確認することができます。
生えてくることがわかれば一安心ということもあるでしょう。
乳歯の虫歯は永久歯にも影響する
「乳歯は虫歯になってしまっても生え変わるので大丈夫」と思っている人も少なくありません。
しかしこれは間違いです。
乳歯が虫歯になってしまうと、永久歯への交換がスムーズにいかなかったり、乳歯の根の先に膿が溜まるなどして、その下で生えるのを待っている永久歯の歯の質が悪くなってしまうこともあります。
乳歯の虫歯を発見したら、できるだけ早めに治療をするようにしましょう。
生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
生えたばかりの永久歯は、歯の表面がまだ未成熟な状態です。
虫歯になりやすいので、虫歯予防ケアを丁寧に行う必要があります。
特に6歳頃に生えてくる6歳臼歯は、生えてきたことに気づかずに、適切なケアができない場合があります。
定期的に歯科検診を受け、フッ素塗布などの虫歯予防を行い、丁寧に仕上げみがきをするようにしましょう。
まとめ
要注意乳歯とは、永久歯の生え変わりにおいて、注意した方がよい乳歯があるということを示しています。
虫歯とは違うので、心配いりません。
スムーズに生え変わりが行われないと、永久歯の歯並びにも影響することがあります。
「要注意乳歯」にチェックの入った紙をもらったら、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
