歯を削らない接着ブリッジとは?メリット・デメリットを詳しく解説!
歯を失ってしまった場合の治療法の一つに「ブリッジ治療」があります。
ブリッジは、残っている歯を支えとして、橋渡しのように被せ物をして、失った歯を補う治療方法です。
従来のブリッジでは、支えとする歯を大きく削る必要があり、負担が大きいのが難点でした。
これに対し「接着ブリッジ」は、残っている歯をほとんど削らなくて済む治療法です。
今回は、その接着ブリッジの特徴について、メリットとデメリット合わせて詳しく解説します。
接着ブリッジとは
接着ブリッジは、歯が無い部分の両隣の歯の裏側を少し削って、人工歯を接着させて、歯を補う治療法です。
従来のブリッジのように橋渡しの形になりますが、両隣の歯は裏側に接着部分がくる形態になります。
従来のブリッジでは、支台となる歯を大きく削らなくてはなりませんでしたが、接着ブリッジは少し削るだけで済みます。
残っている自分の歯への負担が少ない治療法だと言えるでしょう。
固定式なので、取り外し式の入れ歯のような煩わしさもありません。
自分の歯を同じように使用することができます。
接着ブリッジのメリット
接着ブリッジのメリットを具体的にみていきましょう。
健康な歯をほとんど削らずに済む
接着ブリッジは、両隣の歯を少し削って支えとして、失った歯の部分を補うことができます。
従来からあるブリッジのように、歯を大きく削る必要がありません。
残っている健康な歯を守ることができます。
歯の神経を残せる
両隣の歯を少し削るだけで済むので、残っている歯の神経を残せる可能性が高いです。
審美性が高い
失った部分の歯を補うことができ、人工部分を最小限に済ませることができるため、審美性が高いです。
取り外し式の入れ歯のようにバネが見えてしまうこともありません。
接着ブリッジのデメリット
どんな治療法にもデメリットがあるように接着ブリッジにもデメリットがあります、
デメリットを考慮した上で治療の選択をすることが大切です。
従来のブリッジよりも外れやすい
接着ブリッジは、ブリッジを固定するための支台を最小限しか削りません。
接着面積が狭まく、維持が弱いため、従来のブリッジと比較すると外れやすくなります。
適応条件が限られている
接着ブリッジは、適応できる症例が限られています。
噛み合わせが強い歯や、すでに支えとなる歯が大きく削られている場合には、適応になりません。
適応条件については、この後詳しく解説していきます。
仮に着けることができない
接着ブリッジは、実際に取り付ける前に、仮に着けることができません。
従来のブリッジは、本着する前に、使用感や噛み合わせを確認するために、仮着けすることがあります。
接着ブリッジは接着面積が狭いため、仮に着けるためのセメントでは強度が足りず、確かめることができません。
接着ブリッジの適応条件とは
接着ブリッジは、歯を失った症例全てに適応できるわけではありません。
接着ブリッジの適応条件を詳しくみていきましょう。
失った歯が1本の場合
接着ブリッジは、失った歯が1本の場合の治療法です。
従来のブリッジは、多数歯を失った場合でも、支台となる歯の本数やブリッジの形態によっては、適応が可能になることがあります。
隣接する両隣の歯が健康であること
隣接する両隣の歯の健康状態がよく、接着ブリッジの支えとして機能する状態である必要があります。
基本的に歯の神経があり、エナメル質が十分残っていることが条件です。
虫歯になっている場合や、歯周病がある場合は適応外です。
過度な歯ぎしりや食いしばりがない
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に必要以上に大きな負荷がかかります。
特に接着ブリッジは、従来のブリッジと比較して、外れたり破損するリスクが高くなります。
過度な歯ぎしりや食いしばりがある場合は適応外になります。
ただし、歯ぎしりや食いしばりの程度によっては、ナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりのダメージを軽減できる場合もあり、適応可能になることもあります。
噛み合わせの力が強く加わらない部位であること
接着ブリッジは、従来のブリッジより固定力が弱いため、噛み合わせの力が強く加わらない部位であることが条件になります。
基本的には、前歯になります。
前歯であっても、患者さんによっては、噛み合わせが強いこともありますので、その場合は適応外になります。
まとめ
接着ブリッジは、歯を失った場合に、両隣の歯を大きく削ることなく、歯を補うことができる治療法です。
健康な歯の負担が少なく、審美的にも回復することができます。
ただし、適応できる症例に限りがあります。
従来のブリッジと比較して固定力が弱くなるので、噛み合わせの力が強い場合や、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合には適応できません。
外れたり、破損するリスクが高くなるため、他の治療法を選択する必要があります。
歯を失った場合、接着ブリッジが可能な場合には、治療法の一つとして検討すると良いでしょう。